海から食卓に届くまで

新潟市中央卸市場の1日

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新潟市中央卸売市場には、毎日たくさんの魚介類が入荷します。
入荷する商品は多岐に渡りますが、国内産を分類すると下記の3通りに分けられます。

01.  国内の各漁港に水揚げされた魚を新潟冷蔵が
買い付けたもの

02.  水産専門の商社から送られてくるもの

03.  国内の加工会社から送られてくるもの

いずれも産地から直接送られてくるものと、産地から東京や仙台を経由して送られてくるものがあります。
例えば北海道の魚はいったん飛行機で羽田空港へ運ばれ、そこから陸路で新潟へやってくる場合があります。
国内産より数が上回るのは、海外の漁港から専門商社を通して送られてくる商品です。
主に冷凍品であり、北米、欧州、南米、アジア各国から世界中のおいしいお魚が集まります。

新潟市中央卸売市場の風景
男性が魚の状態チェックしている様子
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市場の朝は早く、早朝3時には発泡スチロール箱に収められた魚が広い市場を埋め尽くします。
早々とやってきた仲卸業者、売買参加者や量販店のバイヤーなどの買い手が箱を開けて鮮度を確かめ、また新潟冷蔵のせり人の説明を受けながら、入念な下見を行っています。
市場での取引には「相対取引」と「せり売り」があり、新潟冷蔵ではこの2つの取引を行っています。

相対取引とは
売り手と買い手が直接協議し、価格や数量の条件を決めて売買する取引方法

せり売りとは
売り手は売りたい価格に対し高値から徐々に下げてせりをし、買い手は欲しい価格になったら購入する取引方法

日によっては相対取引で多くの商品が動くため、せり売りにかかる量は大きく変動します。
せり人は天候や曜日を念頭に、需要と供給をよく見極める目が必要となります。

せりの様子
せりの時の幹事の姿
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5時になると鐘が鳴らされ、「せり売り」が始まりました。
新鮮な魚が詰まった発泡スチロール箱の前にせり人が立ち、買い手が周りを囲みます。
せり人が威勢のいい声で値段を提示していくと、買い手は「ハイ!」という掛け声で応じ、商品の買い手が決まっていきます。それをせり人の傍らに立つ「帳面係」が1つずつメモしていきます。ミスがあってはならない場面です。

1魚種のせりが終わるとせり人と買い手は次々と場所を移動。長い棒を持ったせり人が時折交代しながらせりを行い、その日の魚をすべて売り尽くすと終了となります。
せりで購入した魚はすぐさまスーパーマーケットや街の魚屋さん、飲食店などに運ばれます。

せりの時のベル
せりに集まる業者の方々
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せりが終わった後の市場をフォークリフトや小回りのきくターレー(構内運搬自動車)が行き交い、発泡スチロール箱を次々に回収。パレットも手際よく積み重ねられます。
床にホースで水が撒かれ翌日に備えた掃除が始まると、広い市場はあっという間に空っぽになりました。

新潟市中央卸売市場の掃除の風景

もっと魚を食べてほしいから

鮭のヨーグルト漬けと味噌漬け
水産物流の図

魚を扱う方法は日々進化しています。漁獲直後の神経じめ、ワンフローズンでの流通など生産者の努力や技術の革新で、私たちの食卓にのぼる魚はより新鮮でよりおいしいものとなっています。一方で、食生活の多様化により、そのままの魚を家庭で調理する機会が減っています。

新潟冷蔵では新鮮な魚をたくさん食べていただきたいという思いから、協力会社を通じて魚の加工に注力しています。
新潟の食品メーカー、酒造メーカー等と共同で、酒粕漬けや乳製品と味噌のダブル発酵食品漬けなどの開発を行っています。また、骨取り魚やレンジアップで食べられる魚料理の提案も行い、ご家庭の負担の軽減を図ることで、魚食文化の振興に努めてきました。

おいしく栄養があり、低カロリーで健康にいい魚。
新潟冷蔵ではさまざまな工夫と提案力で、皆さまの食卓に魚をお届けしていきます。